もくじ
「 大好きな猫ちゃんと一緒にお出かけしたい! 」
猫と生活している人の中でも、そう思う人は多いのではないでしょうか。
旅行に行きたいけれど、大切な猫を誰に預けていいのか分からなかったり、お留守番をさせることに不安を感じたり、或いは敵な景色を愛猫と一緒に見に行きたいと考えていたりと、一口に猫と旅行と言っても理由は様々ですよね。
どんな理由であれ、折角の旅行ですから、家族の一員である猫にも快適に過ごして欲しいものです。
この記事では、猫との旅行が初めての方向けに、猫が旅行先で感じるストレスとその解消方法について紹介しています。
猫の気質を理解しよう
猫が感じるストレスを知る前に、猫の特徴や習性についておさらいしてみましょう。
おおざっぱに言ってしまいますと、猫は夜行性で、縄張り意識が強く、気分屋でありながらこだわりがとても強い生き物です。
特に、今回の旅行で重要になってくるポイントは「 縄張り意識が強く 」「 こだわりがとても強い 」の2つです。
縄張り意識とこだわりが強いということは、裏を返せば環境の変化を嫌い、苦手なものは受け付けたくないという性質を持っていると言えます。
それらを踏まえながら、猫との初めての旅行を最高の思い出にするために、飼い主が熟知すべき猫のストレスポイントを一緒に学んでいきましょう!
旅行先で猫が感じる3つのストレス
環境の変化を苦手とする猫は当然ストレスを感じやすく、デリケートです。
それでも旅行についてきてもらうと決めた場合には、猫のストレスケアについて事前に学んでおくことがベストです。
ここからは旅行先で猫が感じる3つのストレスについて解説していきます。
大きな音や香りなどの刺激
猫の聴覚や嗅覚は人間の何倍もの刺激を受け取ります。
行き交う人びとの大きな話し声や工事の音、街頭のモニターCMやアドトラックの音などは人間にとっても不愉快に感じると思いますが、猫にとっては更に深刻な問題です。
また、嗅覚が強い猫にとっては、日常にひそむ様々な匂いに対してストレスを感じます。
代表的なもので例を挙げると、柑橘系の香り、湿布やアロマ、スパイス、コーヒーの匂いなどを嫌がります。
特にアロマやハーブには猫が分解できない成分が含まれています。
コーヒーにも同じように中毒を起こす可能性のあるカフェインが入っているため、この2つには注意してください。
他に煙草に関していえば、単に猫が嫌うというだけでなく、人間と同様に猫も受動喫煙をしてしまうことが問題です。
人間よりも身体の小さい猫は私たちよりも多くの悪影響を被ります。
煙草臭い場所や喫煙所、喫煙者の側にはあまり近寄らないように注意しましょう。
2.生活環境の変化
『犬は人につき、猫は家につく』ということわざにあるように、猫は住み慣れた場所に執着する存在だとされています。言葉の通り、猫はテリトリー意識が強く、環境の変化をあまり得意としません。
もちろん、縄張り意識の強さには個体差がありますが、このように家になつく意識の高い子の場合は、人間にとっては当たり前に感じる些細な環境変化だけでも強い不安感を感じます。
「 ただ病院に行くだけなのに 」
「 少し部屋の模様替えをしただけなのに 」
「 寝床の毛布を新調しただけなのに 」
思わずこのように思ってしまった経験もあるかと思います。
それほどまでに、猫は住み慣れた家を大切にする気質があります。
車での移動
実は、一般的に猫は犬よりも車移動に向いていません。
彼らの三半規管は非常に発達しており、人間よりも乗り物に酔いやすい生き物です。
それに加えて、上記でも説明したように猫は環境の変化が好きではありません。
ただこれも、猫の個体差によって酔いにくい・酔いやすい、得手不得手が分かれてきます。
長時間の旅行に行く前に1度車に乗せてみて、平気そうであれば徐々に慣らすなどしていきましょう。
心配な場合は旅行前にかかりつけの獣医師に相談し、万が一体調を崩したときの対処法を教えてもらうか処方薬をもらうようにして猫の安心安全を守りましょう。
愛猫のストレスを和らげるためにできる3つのこと
次に、旅行中の愛猫をストレスから守るために私たちができることを3つ紹介します。
下記の内1と2は旅行当日の準備では間に合いません。
旅行予定日に合わせて数ヶ月前~数年ペースで愛猫たちのコンディションを整えてあげてください。
普段からキャリーバッグに慣れてもらうこと
まず、猫たちにキャリーバッグが安心できる『おうち』であることを理解してもらうところから始まります。
移動中には必ずキャリーバッグの中で静かにしていてもらう必要がありますし、いざというときにキャリーバッグは彼らにとっての避難所になります。
普段から入る練習をする、猫の生活スペースに置いておくなどして安全で安心できる場所だと覚えてもらってください。
旅行日までに何度かキャリーバッグに入ってお散歩する練習をしてみるのも良いと思います。
また、旅行当日はケースの中に遊び慣れたおもちゃや毛布を敷いてあげると、猫の安心に繋がります。
キャリーバッグの中でもソワソワと落ち着かない場合や、怖がって不安な声で鳴く場合には1度静かな場所で休憩するようにしましょう。
また、移動の際にはキャリーバッグを布で覆ってあげると、猫のストレス軽減につながる場合があります。
猫は暗所を好む性質であること、視界が遮られることで視覚的な刺激が減る、布を1枚挟むことで外の大きな音が緩和されるなど、効果の期待できる方法です。
外の空気にあらかじめ慣れてもらうこと
完全室内飼育の猫にとって家の外は完全に未知の世界です。
家具が厳選され、猫にとっての危険を一切排除した室内に比べて屋外というものは、多すぎる刺激が一瞬で五感に入ってくる危険な世界です。
車や人だけでなく鳥や蝶などの生き物が飛び回ります。
嗅いだことのない花の香りや、会ったことのない人間の話し声などの刺激が溢れすぎてパニックになることも少なくありません。
反対に全く動けなくなってしまう子もいます。
猫が驚かないように、室内飼いの子は外に出る練習を必ず積んでください。
はじめは数分だけ家の周りをお散歩して、慣れてきたら10分20分と時間を延ばし、少しずつ屋外の楽しさに触れてもらいましょう。
また、屋外に慣れている子であっても、ハーネスやリードは必ずつけて離さないように気をつけます。
猫が不安そうな時や疲労を見せている時はキャリーバッグに戻したりだっこしてあげたりして落ち着ける場所を提供してあげます。
車は安全運転に気をつけて
普段は車が平気な子であっても、日によっては酔いやすかったり体調が悪かったりして思うようにいかない場合もあります。
いきなり走り出すのではなく、1度エンジンをかけたらしばらく様子を見てみて、猫が怖がっていないか確認します。大丈夫そうでしたら気をつけながら走り出します。
急発進や急ブレーキ、急カーブには気をつけて普段の数倍安全運転を心がけます。
途中、駐車スペースを借りる、高速道路でしたらサービスエリアに立ち寄るようにして2~3時間に1度は休憩をして様子を見ます。
もし猫に嘔吐や排泄を繰り返す、あくびが多い、よだれを垂らす等の症状が目立った場合、車に酔ってしまった可能性が高いです。
安心できるよう優しく声をかけてあげる、可能なら1度駐車して休憩をとるようにしましょう。
また、車中温度には気をつけ、猫が熱中症にならないかも重要なポイントです。
快適な『家族』旅行を!
愛猫との旅行は、いわば家族旅行です。
普段は家の中でしか共有できない喜楽を旅先でも共にすることは一生の思い出となるでしょう。
私たちがこれから訪れる楽しい体験を想像しながら荷物をパッキングすることと同じように、猫が快適に外を楽しむ姿を想像してしっかりと準備をしましょう。
この記事が、これから体験する初めての『家族』旅行のお役に立てたら嬉しいです。